制作者の意図が無視され駄菓子のように消費される芸術作品。アート批評の二面性(1/2)

制作者の意図が無視され駄菓子のように消費される芸術作品。アート批評の二面性(1/2)


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クラウドファンディング11作目はアートによる批評の二面性です。

歴史上たくさんのアートが生まれてきましたが、そこには色んな意義があります。

たとえば新しいものの見方を伝えたり、楽しさや怖さを与えて感動させたりします。そして中には社会の悪や弱さを風刺し批評するというものもあります。

今回はその「批評性」についてみていきます。

以下にてコンテンツ市場やアート市場の大きさについてまとめています。市場の大きさは、制作物によって批評する機会の大きさです。

※コンテンツ市場やアート市場についてまとめました。
Source: 「”クリエイティブ”の特別さとはなにか」コピーの二面性(1/4)概容篇

さて、さっそくそれでは一つ目の側面を見ていきます。一つ目の側面は「アートによる批評が伝わらなさすぎる」ということです。

アートを見る側にとっては、見る側が得たいものを得れればそれで良いと考える人が多くいます。また、投資家の中には、アートの内容そのものよりもその制作された物体自体が高い価格になれば良いと考える人もいるでしょう。

※作品から影響を受けてアイデアを得たいために美術館にいくことなんてめったにない。気分転換のためやたまたま招待券が手に入っただけでなんとなくいく。
Source: 美術館・美術展に関する調査。1年に1回以上、美術館・美術展に行く人は32%。

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もしそうなってしまえば、アーティストがいくら批評するために制作したところでその意図は伝わらず、アーティストにとっての「意味」が消えてしまい、もはやその制作物は「記号」になってしまいます

例えばアーティストが「東北大震災を忘れさせないために」、「可愛い女の子」を主人公にして映画作品を作ったとします。この場合、アーティストが願うのは東北大震災のことを考える人が増えて、結果的に例えばボランティアや募金も引き続き行なわれたり、もう二度と同じことが起こらないようにみんなに行動を促すということです。

しかし多くの場合は、主人公である可愛い女の子が主な鑑賞目的になりますし、「東北大震災のことについて考えさせられる」という感想を周りに言うことで頭よさそうに見せるために使われるでしょう。深く考えるわけでもなく、考えた結果なにかの行動に結びつくわけでもないです。

加えて以下の作品について制作者の意図を知ってる人がどれぐらいいるのでしょうか。知らずに美術館の展示会で「良かった!」と言ってるならそれは自分自身の気持ちよさだけが元になっており、アーティストの意図は無視されています。

※パブロ・ピカソの作品「ゲルニカ」

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※サルバドール・ダリの作品「ヒトラーの謎」

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※マルセル・デュシャンの作品「泉」

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※アンディ・ウォーホルの作品「マリリン・モンロー」

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※ルネ・マグリットの作品「大家族」

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次回は批評が伝わりすぎる側面を紹介します。

※著作権やコピーの話をすでにまとめてますが、そちらでは制作物の「制作方法(How)」についてですが、対して今回は制作するさいに扱う「テーマ・内容(Why)」についてとなります。