改めてどんな多様性が欲しいのか考え直す。多様性の二面性(4/4)まとめ篇

改めてどんな多様性が欲しいのか考え直す。多様性の二面性(4/4)まとめ篇


1回目「なぜ多様性のある社会は簡単に成立しないのか」、2回目「深く傷ついても相手の事を受け入れ続けられるか」、3回目「人間であるかぎり多様性ある社会は成り立たない6つの理由」と、多様性の問題について紹介してきました。いかがでしたでしょうか。

最終回の今回は2回目と3回目の極端さの間を考えたいと思います。

・要はどこまでコミュニケーションをとるか

2回目と3回目で言いたかったことは、どれぐらい他人とコミュニケーションをとるか、ということです。

2回目は自分よりも他人を大切にするためコミュニケーションに多大なる時間とお金をかけます。3回目は自分の自由を大切にするためコミュニケーションを一切行なわず排除したいだけ排除します。

しかし人間、そんな極端なコミュニケーションはとりません。排外主義な人ですら、一部の人に差別はしてもその理論を同じように他の人に常に向けたりしませんし、普段とても他人に優しい人ですら、大切にしたい人をしっかり区別します。

・人類生存はどちらのやり方でも達成できる

一見、差別をせずにコミュニケーションをとっていくほうが人類が生存しやすくなると思いがちです。つまり発生する問題に対してみんなで解決策を模索し、みんなでアイデアをだし、みんなで解決のための行動をとれば、すべての問題を解決でき、環境問題が起きようとも多くの人類が生き残れると考えることができます。

しかしそれはそれで問題が存在します。それは「多様性を維持しなければいけない」という単調・単純な考え方が生まれることです。多様性を大事にしていたら単調・単純になるというジレンマがあります。

反対にコミュニケーションをとらずに差別することで人類が生き残ることもありえます。どういうことかと言うと、みんなが自由に生きれば、千差万別の生き方が生まれ、どんな悪環境でもどれか一つの集団が生き残ります。

また、差別されても差別に対して対策を練り続けることでより生物として強くなりますし、差別しあうことで競争が生まれ自然と切磋琢磨している状態になったりします。例えばユダヤ人はずっと迫害されてきましたが、ついにイスラエルという国家を手に入れましたし、聖地はムスリムが持っていましたが、現在では十字軍の役割をイスラム国が行なっています。

・排外主義者を排除しない多様性

この話はあくまでたとえの話で推奨する話ではありません。思考実験としてお読みください。

例えばボクシングやラグビーでは人が死ぬ可能性が大いにあります。なのに殺人や差別にはなりません。スポーツマンシップという大義があります。戦争にもルールがあることはクラウゼヴィッツの戦争論にも書いてあります。

つまりお互いに同意していれば何してもいいことが色んな場面で起きています。

例えば、無人島に無法地帯をつくるとします。そこには差別したい人や、人を支配したい人、人を殺したい人を同意の下に集めます。そうすることで排除したい多様性を残しつつ、一方で普通の社会では排除したい人たちがいないので、普通に生きていくことができます。無人島で生まれた子どもはもちろん「同意の下に」普通の社会に連れて行きます。

・親による子どもへの教育が社会を固定化させる

子どもは親から大きな影響を受けます。

親を尊敬する人も、親を嫌う人も、その性格は良くも悪くも親による影響が大きいです。親からの直接的な教育だけではなく、教育しない(放置する)ことや虐待、そして親が作った家庭環境、親が手に入れた学校環境などもまた、子どもに大きな影響を与えます。

「人の性格は親による影響が大きく、自分で自分を変えることが難しい」とするのなら、100年前から、1000年前から、1万年前から、社会は大きく変わらないことが分かります。

確かに、農耕や工業化、情報化、民主化、自由化など社会は大きく変わってきた側面もあるでしょう。

しかし、人の争いや恋愛はずっと前に作られた神話や物語と大して変わりがありません。その原因は人間が人間であるためでもありますが、人間に親が存在するためでもあります。

そのように考えると多様性の種類はずっと前から一定ですし、多様性を望みたくない人も一定数存在することが分かります。

子どもが教育される前に親から引き離し、ある一定の教育を受けさせれば悪い人間はもう生まれないかもしれません。しかし逆にそれは多様性から最も遠いところにあります。

(このクラウドファンディングの作品集ができたら次は社会がどれぐらい固定化されているのかを研究したいと思っています。)

・二面性の意義

二面性とは以下のことです。

1、Aの考え方があれば、反対にBの考え方がある。
2、何事にも良い面と悪い面がある。
3、Aの考え方には良い面と悪い面、Bの考え方には良い面と悪い面がある。
4、Aの考え方があるのはBの考え方があるから。表裏一体で等価値。

つまり常に矛盾や葛藤を許容するという考え方です。この考え方をもつと個人の中には色んな考え方が共存し、個人の中に多様性が生まれます。

個人の中に多様性が生まれたとき、その個人が作る人間関係は多様になるかもしれません。それが私の仮説です。

Source: 二面性とは何か(二面評価機構くも)

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