「コピーが作る文化の多様性」コピーの二面性(3/4)メリット篇

「コピーが作る文化の多様性」コピーの二面性(3/4)メリット篇


コピー_メリット_Web用

さて、前回の「コピーや二次創作はアイデア泥棒」でコピーのデメリットを改めてまとめました。今回は逆にコピーのメリットを考えて見ます。

突然ですが、みなさんはモノを作るときどうやって作りますか?

ほとんどの人は自分のためのモノなら何も調べず目的に合ったモノを作るでしょうし、他人に売るものやあげるものならその人がどうしたら喜ぶか考えて作ると思います。

ここで難しいのが、無意識に作ったり、ちょっと他の作品を参考にしたりして作った完成形はどこまで「コピー」として扱われるのか、ということです。

ついこの間、オリンピックのロゴで同じようなことがあり、大きな問題となり、結局違うロゴが制作されました。違うロゴが制作されても、形は今までになくても、模様は今までの作品から影響を受けています。言い方次第ですが、これは市松模様のコピーとも言えます。

※幾何学的な組み合わせのアイデアは面白いにしてもこの柄は市松模様とその文脈を知っていなければ作れない。
Source: 市松模様(Wikipedia)

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歴史の中ではこのような「似た作品」は数多く存在します。

※浮世絵の顔配置部分情報からの分類。現代の人から言ってしまえばどれも似たものばかり。
Source: 日本文化の模倣と創造 オリジナリティとは何か

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また写真やパソコンによる本物にかなり似たコピーもしくは100%のコピーは時には良いときもあります。例えばモナリザが有名になったのは写真の影響が大きいという説があります。

※モナリザに限らず、全くもって無名のアーティストの作品がコピーによって知られることで有名になることもあるかもしれません。
Source: 日本文化の模倣と創造 オリジナリティとは何か

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他にも多くの作品が真似や引用から生まれています。

※世界中にある陶器の産地には、中国の景徳鎮(けいとくちん)の磁器をまねするところからはじまることが多い。
Source: サントリー美術館「IMARI/伊万里ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器」展

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※「ウルビーノのビーナス」と「オランピア」
Source: ウルビーノのヴィーナス(Wikipedia)

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※ゴッホの「タンギー爺さん」と背景の浮世絵
Source: タンギー爺さん(Wikipedia)

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※真珠の女とモナ・リザ
Source: 《真珠の女》 | ルーヴル美術館

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それから人にはそもそも「真似る」習性があります。これを模倣と言います。

※新生児のものまね行動について研究した心理学者のメルツォフとムーアによると早い例で生後42分から72時間の間に大人の行動を真似ている。
Source: 身体マッピング能力の起源を探る 

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技術の習得で有名な「守・破・離」という文化も存在します。

※日本の「道」文化はまず真似から入る。
Source: 日本古来から伝わるプロフェッショナル論~守破離(しゅはり)の精神

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インターネット上にアップされたりコミケで販売される二次創作は守破離の守の部分で、それがただオープンになっているだけなのかもしれません。

このようにモノがモノに影響を与え、さらに新しいモノが生まれるというのが文化にとってとても大事な面でもあります。コピーのメリットには以下の側面があります。

・作品制作時の参考資料
・作品を広く普及する過程
・本能や習慣という根源的文化的要素

それでは次回は補足などを紹介したいと思います。