シングルマザー切り捨てたらめぐって自衛隊が高齢化する国。少子化の二面性(2/3) - 自己責任篇

シングルマザー切り捨てたらめぐって自衛隊が高齢化する国。少子化の二面性(2/3) – 自己責任篇


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前回1回目の「データで見る世界の子どもの数」では日本が他の国に比べていかに子どもの人口の割合が少ないか分かったかと思います。

今回と次回はその原因についてまとめますが、子どもを産めない理由に多くの人は「お金」の問題をあげます。

※妻の年齢別にみた、理想の子ども数を持たない理由(内閣府)
Source: 女性が赤ちゃんを産めない理由(日本)、年々増える「産まない選択」

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しかしお金をどれぐらい稼げるかは色んな要因が絡んでいます。特に大きいのは前回のテーマであった働き方にありますが、それは個人個人が自由に生きるか、もしくはみんなで税金で協力し合って生きるかの選択が大事になってきます。

今回は個人個人が自由に生きることに焦点を当てて、「子どもは自己責任で育てるべき」という主張のメリットとデメリットを紹介します。

1、自己責任の子育てのメリット

そもそも自己責任のメリットは自由であることです。自由だから自己責任が存在し、自己責任だから自由が存在します。これらは表裏の関係にあります。何でも自分で好きに選んでいいし、他人の助けを借りたり迷惑をかけなくていい代わりに、そのリスクは自分で管理する、ということです。

つまり自己責任の子育てとは、自由な子育てということです。では「自由な子育て」とはなんでしょうか?

それは自分の子どもをどうやって育てても自由ということです。そしてその選択肢は時間やお金があったり、もしくは視野が広いほど存在します。反対に税金などでお金を取られてしまったら選択肢が狭まってしまいます(税金の話は次回)。

※お金や仕事、教育費についての話はすでに他のテーマで書きましたのでこちらをご覧ください。

・給料が安いのはあんたのせい。-労働者篇-

・子どもにとっての”良い教育”とはなにか?-家庭負担篇-

ではどんな子育ての選択肢があるでしょうか?いくつか例を見てみたいと思います。

まず考えられるのが「働きながら子育てをする」という選択肢です。働くことに生きがいを感じてる人も多いでしょうし、計画的にお金を稼いでいればベビーシッターなどのサービスを使うことで簡単に達成することができます。

※全体の65%ものワーキングマザーは仕事に満足しています。
Source: ワーキングマザーの仕事「満足度」調査

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※古いデータですが、一定の層にベビーシッターの需要が存在します。
Source: <市場を読み解く>保育園・託児所市場

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ベビーシッターなどの代行人がいれば、煩わしい夫や妻、祖父祖母からも「離れて」、子育てができます。離婚にそれほど負担が生まれませんし、恋愛で失敗しても大きな損害を被ることがありません。

異性を見る目がないのにも関わらず、結婚して出産してしまい、気づいたら育児を手伝わない、さらにはDVや虐待、ギャンブルなどをする異性に出会う人もいるでしょう(男には限りません)。

しかし事前にそうなるかもしれないな、と思ってお金を稼いでおけばすぐに離婚に踏み切れます。だからこそお金がないのにシングルマザーになるのは自己責任だと切り捨てられてしまうのです。

それから他に考えられる選択肢は、逆にお金をかけない方法を選ぶことができます。たとえば「田舎や自然の多い場所で子育てをする」という選択肢です。

※鳥取への移住理由として「子育て」をあげるのは20代・30代が多い。
Source:地方移住等地方へのヒト(定住人口)の流れ(国土交通白書)

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大都会でキャリアップしたり便利な消費生活を送ることにあまり価値をおいておらず、自然の多い環境でゆったりとした時間の中で子育てするのが良いという方には最適です。

さらに、もし税金を一定額払わないといけないとなるとその分最低限お金を用意しないといけませんが、納税額が少なく自由に子育てができる状況なら、十分選択肢になりえます。

また、納税しなくていい分、好きな公共サービスを選べるという意味でNPOへの寄付金が増えます。NPOとは本来自由な社会のセーフティネットです。

※「子どもの健全育成を図る活動」の法人数は2万以上。
Source: 特定非営利活動法人の活動分野について

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このように自由で自己責任な子育てとは、一人一人の価値観や生活スタイルに合った方法で子育てができるのです。

それでは次はデメリットを見ていきましょう。

2、自己責任の子育てのデメリット

さっそく手のひらを返すようですが、結局自分で100%計画を立てて思うように子育てをできる人など多い方ではありません。わがままで行き当たりばったりなのが人間です。それはたとえばどんな人でしょうか?

例えば働くことが苦痛な人はお金を自分で稼ぐことができません。

※年間約1,000人が労働災害で死亡しています。
Source: 労働災害で亡くなる人はどれくらいいる?(公益財団法人生命保険文化センター)

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この例は極端ですが、逆に極端じゃない人(苦痛ではなくても積極的に働きたいとは思わない人)はもっと多いということです。

それから離婚から一人親になってしまい、家計が苦しくなり、仕事で忙しくて子どもの面倒を見切れないこともなくはないです。

※男女とも離婚の原因第1位は「性格の不一致」です。
Source: 第1回「誰もが気になる離婚原因。妻の1位はやっぱり…アレ!」

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※母子世帯だと平均年間就労収入は200万円いかない。
Source: ひとり親家庭等の現状について(厚生労働省)

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これらの問題は個人の中でおさまっていれば、自由な子育てに上手く行ってる人からすれば「自己責任だ!」と切り捨てることができるでしょう。上手く行っている人の生活に何ら悪影響がないからです。

しかし問題はそう簡単ではありません。なぜなら政府はどんなに民営化を進めてもすべてを民営化できないからです。

国の人口が増えないといけない理由の1つは経済成長(色んなものを消費できると幸せになれるという価値観から)で、もう1つはその経済成長によって生まれた利益による納税&公共サービスの運営です。

経済成長と納税自体は究極的には移民を入れて稼いでもらって公共サービスをまわすこともできるでしょう。

現在、女性の社会進出を高らかにうたっているのもそこに女性にも稼いでもらうという面がありますし、東京のコンビニスタッフに海外の方が多くなってきたのも実質的に移民受け入れになっています。

しかし公共サービスを運営する人たちはどうでしょうか?例えば子どもが少なくなって高齢者ばかりになった自衛隊は国を守れるのでしょうか?

※過去20年間で自衛隊全体の平均年齢が少し上がっている。
Source: 自衛官年齢別人員分布の変化(財務省)

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では自衛隊の人たちは移民でもいいのでしょうか?これは完全に解釈・感情の問題です。移民に対してまったく疑いがないのであればそれでもいいでしょう。(戦争しましょうという意味ではなくいざというときに守れるのか、という話です。)

もし移民による公共サービスの運営でもいいのであれば、今貧困層にいるシングルマザーに対して「自己責任だ」と切り捨ててもいいでしょう。その子どもが上手く育たなくても国の公共サービス(防衛や社会保障など)は、他国からの移民が運営します。

移民の受け入れに全くもって消極的な日本人にとってこれは「移民によって国が支配される!」と考えるでしょう。ということはそう考える人たちにとって、「どうしても自己責任で子育てができない人を切り捨てること」はデメリットになるのです。

※日本にいる移民人口は1.1%ほど。
Source: OECD諸国の移民人口比率(社会実情データ図録)

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いかがでしたでしょうか?それでは次回は「子どもをみんなで協力して育てること」の二面性を見ていきたいと思います。