テロリズムが暴力的な政治行動のことなら、ではテロリストとは本当は誰のことなのか?

テロリズムが暴力的な政治行動のことなら、ではテロリストとは本当は誰のことなのか?


近年、「イスラム過激派」が世界各地で問題になっています。マスメディアによって「テロリスト」として報道されていますが、しかし彼らの行動にも理由があります。今回はその二面性を紹介します。

1920年頃、イスラム世界最大の帝国だったオスマン帝国は、第1次世界大戦でイギリスやフランスを中心とする国々に負けてしまい、イギリスとフランスによって領土を分割されました(イギリスの三枚舌外交)。ここからイラクやシリア等、現在のアラブ諸国が誕生していきました。

※1882年、オスマン帝国は広大な領土を持っていた

World History Atlas & Timelines since 3000 BC 1882

※1920年、オスマン帝国はイギリスとフランスによって解体される

World History Atlas & Timelines since 3000 BC 1920

※2015年、アラブ諸国やイスラエルの状況

World History Atlas & Timelines since 3000 BC 2015

出典:World History Atlas & Timelines since 3000 BC

しかし、一方で、そこから色んな問題が発生しました。

■パレスチナではユダヤ人国家であるイスラエルが建国される。

domination by Israel

・第1次世界大戦以降、ユダヤ系富裕層ロスチャイルド家の支援もあり、ユダヤ人国家建設の動きが高まる。

・1948年に、ユダヤ人はイスラエル独立宣言を行う。

・アラブ諸国は反発するが、アメリカの支援を受けたイスラエルは領土を広げる。

※ユダヤ人全員がシオニスト(イスラエルの地に故郷を再建しようという運動)ではないし、シオニスト全員が過激派であるわけでもない。

※イスラエルとパレスチナの領土の推移

The Rape Of Palestine: Hope Destroyed, Justice Denied

出典:The Rape Of Palestine: Hope Destroyed, Justice Denied

※イスラエルとパレスチナの死傷者の推移:()内は18歳未満

Civilian casualty figures for the Israeli–Palestinian conflict from B'tselem and Israel Ministry of Foreign Affairs between 1987 and 2010 Demographic percentages for the Israeli–Palestinian conflict according to Office for the Coordination of Humanitarian Affairs from September 2000 until the end of July 2007.

出典:Wiki: Israeli–Palestinian conflict Fatalities 1948–2011

※アメリカからイスラエルへの支援状況

Israel–United States relations Current issues

出典:U.S. Foreign Aid to Israel

出典:Israel–United States relations Current issues

※アメリカでのイスラエル支援団体によるロビイング状況

Annual Lobbying by American Israel Public Affairs Cmte

出典:Annual Lobbying by American Israel Public Affairs Cmte

※ユダヤ人のアメリカの州ごとの人口:選挙を有利にするためニューヨークに集中

出典:Jewish Population in the United States, by State

■イスラム過激派が生まれていった。

dominaion by Islamic terrorist

・旧オスマン帝国領パレスチナにはユダヤ教、キリスト教、イスラム教にとっての聖地エルサレムが存在します。一部のユダヤ人たちはそこに住みたがっていました。

・第1次世界大戦以降、イスラム教国では欧米にとって都合の良い政策が行われるようになる。

・例えば、産油国の石油の独占や、米軍基地の建設、女性の社会進出。

・その後、いくつかのイスラム教国で「イスラムの理想とする国家・社会のあり方を政治的・社会的に実現しよう」という運動が高まる。(イスラム原理主義)

・そしてその中の一部で、「武力を使ってでも実現させよう」という運動が高まる。(イスラム過激派)

・イスラム過激派の中の一部で、オスマン帝国の時の領土をもう一度手に入れようという動きが強くなる。(ISIS)

※イスラム教徒全員がイスラム原理主義ではないし、イスラム原理主義者全員がイスラム過激派ではない。

※2000年から2011年までのイスラム過激派によるテロ行為の被害状況

Terrorist attacks by al-Qaeda, Islamist and Islamic terrorist groups, 2000 - 2011

出典:Terrorist attacks by al-Qaeda, Islamist and Islamic terrorist groups, 2000 – 2011

※イスラム過激派による数々のテロ行為

出典:Wiki: List of Islamist terrorist attacks

※最も被害を出した10団体による被害者数

Global Terrorism Index Report 2014

※2013年、テロ行為被害全体の6割がアルカイダ、タリバン、ボコハラム、ISILによるもの

Global Terrorism Index Report 2014

※上記4団体による2000年以降の被害者数推移

Global Terrorism Index Report 2014

※上記4団体の戦闘員数

Global Terrorism Index Report 2014

出典:Global Terrorism Index Report 2014

■最後に重要な3つのポイント

1、信仰者全員が人殺しではない。

ユダヤ人全員がシオニストでもなければ、過激派でもありません。イスラム教徒だって、全員がイスラム原理主義ではないし、イスラム過激派ではありません。ただ不運なことに、政治的、社会的、経済的、地理的、それぞれの要因が良くない方向に絡み合っています。

2、第1次世界大戦以前について

今回は触れていませんが、必ずしもオスマン帝国が「良い帝国」だったわけでもありません。過去にもたくさんの戦争が繰り返されてきて現在に至ります。以下のアニメーションがそのことを分かりやすく表現しています(※過激な表現が含まれるのでご注意ください)。

※繰り返される戦争の歴史

出典:This Land Is Mine

3、人殺しは正当化できるのか

戦争で勝つことで領土を得ることが正しいのか?

領土を手に入れればその後その領土で何をしても良いのか?

西洋の考え方や政治体制が絶対的に正しいのか?

絶対的に正しければ人を殺しても良いのか?

政治家は選挙で勝つことが全てなのか?

暴力以外で相手に抵抗できる方法はないのか?

4、いつになったら平和になるのか

お互いに反対派・過激派が存在してしまう。

お互いに納得できる案がない。

過去に和平交渉を行ったが反対派によって台無しになる。

お互いに利害関係の共通する第3者的な立場が現れない。

全ての反対派の武力や権力を抑えることができるほどの強い存在が現れない。

上記が解決されない限り、この争いはこれからもずっと続くことでしょう。

※他にも論点や考え方があれば教えてください!