黒人の犯罪は比較的多いが、全ての黒人が犯罪者なのか?黒人犯罪防止の二面性

黒人の犯罪は比較的多いが、全ての黒人が犯罪者なのか?黒人犯罪防止の二面性


アメリカ建国以来、大きな問題となっているのが人種差別です。肌の色が白いか黒いか、それで人間としての価値が決まってしまうというものです。

Did NBC and Pew Research Forget Multiracial People?

※アメリカの人種内訳

Source: Did NBC and Pew Research Forget Multiracial People?

そして近年、アメリカの警官による黒人への不公平な扱いが問題となっています。今回は「犯罪と黒人の二面性」、「警官による銃の使用の二面性」を紹介したいと思います。紹介する論点は以下になります。

1、どんな人が犯罪を起すのか予測するとき、人種は予測するための要因として有効なのか

2、警官は銃を使うことで街の治安や人々の安全を守ることができるのか

参考:1番(緑と赤)と2番(黄色)がどのように関連しているのか。

※参考:1番(緑と赤)と2番(黄色)がどのように関連しているのか。

■1、どんな人が犯罪を起すのか予測するとき、人種は予測するための要因として有効なのか

アメリカでは統計的に黒人の方が「他の人種と比べて」犯罪者が多い傾向にある。

Factoid: Black Male Incarceration Rate is 6 Times Greater Than Rate for White Males

※推定で白人10万人のうち投獄されている白人は727人なのに対し、黒人10万人のうち投獄されている黒人は4777人。

Source: Factoid: Black Male Incarceration Rate is 6 Times Greater Than Rate for White Males

What are the demographics of the prison population? What are the demographics of the prison population?

What are the demographics of the prison population? What are the demographics of the prison population?

※投獄されてる人と全人口の人種別割合。

Source: What are the demographics of the prison population?

※参考:PrisonとJailの違い

これらのデータを元にすることで、犯罪を防止する際に黒人を意識する警官が少なからず存在し、さらに黒人差別の歴史と重なって、より意識するようになります。犯罪を防止するために、どんな人が犯罪を起こしそうか想定して対策をとることには良い面と悪い面が存在する。

良い面としては、事前に予測し対策することで、犯罪が起こりにくくなったり、もし犯罪が起きたとしても素早く対応することができる。例、犯罪が起こりやすい場所に監視カメラを設置する。

Do police officers racially profile?

※州ごとの人種によるプロファイリングの状況。オレンジの州ではいまだに行われている。

Source: Do police officers racially profile?

Homicide rates among persons aged 10–24 years, by race/ethnicity — United States, 1990–2010

※黒人の若者による殺人の推移。2000年までは減っているが、それ以降あまり減っていない。プロファイリングの効果がない可能性もある。

Source: Homicide rates among persons aged 10–24 years, by race/ethnicity — United States, 1990–2010

一方、悪い面としては、肌の色が性格を歪めるわけではないので、犯罪を起こす気が全く無い黒人も存在し、その人たちにとっては、不必要に警官から疑われることになってしまいます。統計的に確率が高いからと言って、全員が犯罪者であるわけではありません。

In U.S., 24% of Young Black Men Say Police Dealings Unfair

※黒人の若者の24%が警官から不公平な扱いを受けている。

Source: In U.S., 24% of Young Black Men Say Police Dealings Unfair

Gallup Review: Black and White Attitudes Toward Police

※一方、以前に比べると不公平な扱いは減ってきている。

Source: Gallup Review: Black and White Attitudes Toward Police

■2、警官は銃を使うことで街の治安や人々の安全を守ることができるのか

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次は、警官による銃の使用についてですが、これはつまり犯罪を行った/行うかもしれない可能性がある人への「扱い方」の問題です。

Arrest-Related Deaths, 2003-2009 - Statistical Tables

※性別、人種別、年齢別の「逮捕に関連した死亡」の推移

Source: Arrest-Related Deaths, 2003-2009 – Statistical Tables

Race, Age, and Police Killings

※警官によって殺された白人と黒人の年齢別状況

Source: Race, Age, and Police Killings

This chart explains why black people fear being killed by the police

※警官によって殺された被害者のうち31%は黒人で、52%は白人

Source: This chart explains why black people fear being killed by the police

※2010年から2012年の間で、警官は10代の白人よりも10代の黒人を21倍の人数銃撃している。

※2010年から2012年の間で、警官は10代の白人よりも10代の黒人を21倍の人数銃撃している。

Source: Police were 21 times more likely to shoot and kill black teens than white teens between 2010 and 2012

Who Is Shot by New York City Police?

※ニューヨークでは圧倒的に白人よりも黒人の方が警官によって銃で撃たれている。

Source: Who Is Shot by New York City Police?

Thousands dead, few prosecuted

※2005年以降、告発された警官は54人だけ。そのうち有罪は11人のみ。

Source: Thousands dead, few prosecuted

警官が銃を積極的に使うことによる良い面と悪い面があります。良い面としては、犯罪を行った/行うかもしれない可能性がある人が武器を持っていても対抗することができ、事前に犯罪を防いだり、犯罪の被害の拡大を防ぐことにつながります。

How Television Killed Crime

※アメリカの主要な犯罪の数は減少してきている。ただし銃の使用のおかげかどうかは不明。

Source: How Television Killed Crime

Crime Index for Country 2015

※アメリカの治安は各国に比べると中間ぐらい。すごく安全な治安ではない。(赤いほど治安が悪いことを示す)

Source: Crime Index for Country 2015

American police kill civilians at a shocking rate compared to other developed countries

※他にも国民が銃を持つ国はあるが、国民が銃を持つから治安が悪くなるわけではない(例、ノルウェー)。

Source: American police kill civilians at a shocking rate compared to other developed countries

Police in the U.S. Shot and Killed 115 People in the Month of March Alone

※ドイツ、イギリス、オーストラリア、日本に比べるとアメリカの警官は対象者を殺してしまうことが多い。

Source: Police in the U.S. Shot and Killed 115 People in the Month of March Alone

一方、悪い面としては、武器を持っていない人に対して警官の安易な判断によって警官が発砲してしまったり、犯罪を行ったのかどうか分からないまま亡くなってしまうことが挙げられます。特に最近は、裁判の際に無罪になる可能性があるにも関わらず、黒人を射殺してしまう事件が少なく有りません。

※参考:警官によって殺された武器を持ってなかった人々(1999年~2014年)

Source: Unarmed People of Color Killed by Police, 1999-2014

■最後に重要なポイント

・比較的多いことによる錯覚と見るべき本当の犯罪の理由

犯罪が起きないように未然に防ぐことにこしたことはありませんが、しかし、全ての黒人が悪い人ではありませんし、逆に全ての白人が良い人でもありません。犯罪の原因は肌の色ではなく、貧困や失業、家庭環境、アルコール中毒など、もっと複雑になっています。そのため、警官が懸念すべきなのは相手の武器や肌の色ではなく、根本的な犯人の動機です。

The Many Causes of America’s Decline in Crime

※アメリカの犯罪が減った考えられる理由。給料の増加やアルコールの消費減など。

Source: The Many Causes of America’s Decline in Crime

Factors considered as causes of crime in Britain today, 2009/10

※イギリスではドラッグや家族の崩壊、アルコールなどが犯罪の要因として大きい。

Source: Factors considered as causes of crime in Britain today, 2009/10

※参考:Statistical correlations of criminal behaviour

・警官はもっとフレンドリーに優しく接するべきです。

警官による銃殺の事件が少なくないこともあり、一度警官から疑われるととても怖い思いをすることでしょう。その影響から逃げ出してしまったり、反抗的な態度を取ってしまうこともあるのかもしれません。

※他にも論点や考え方があれば教えてください!