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戦争で家族を失ったら、元敵国を許せますか?戦争犯罪の償いの二面性


日本と中国は、歴史の中で様々な影響を与え合ってきました。しかし、近年特にその関係性が不安定になっています。

The 10th Japan-China Public Opinion Poll Analysis Report on the Comparative Data

※2014年時点で、日本人と中国人お互いに8割以上があまり好ましくないと思っている。

The 10th Japan-China Public Opinion Poll Analysis Report on the Comparative Data

※否定的な印象を持つ理由

Source: The 10th Japan-China Public Opinion Poll Analysis Report on the Comparative Data

この原因は様々な意見がありますが、特に大きいのが第2次世界大戦時の日本による行いでした。今回は戦争犯罪と謝罪の二面性を紹介したいと思います。

1、中国に対する日本の謝罪と経済的支援

2、日本の謝罪と経済的支援に対する中国の反応

■1、中国に対する日本の謝罪と経済的支援

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※このイラストの男性は敵を殺したが、仲間も殺されてしまった日本のこと。

日本は日中戦争(1937年~1945年)にとても多くの人を殺し、傷つけました。1972年の日中共同声明で中国は日本に対して賠償は求めませんでしたが、日本は経済的な支援を通じて中国に対して謝罪を行っています。また、様々な表現を用いて、機会があるごとに謝罪の言葉を述べています。

Wiki: 第二次世界大戦の犠牲者

※日中戦争による中国人被害者に関する中国の発表。発表ごとに増えている。

Source: 第二次世界大戦の犠牲者

Wiki: World War II casualties - Japanese war crimes

※日本はどれぐらい中国人を第2次世界大戦で殺したのか?研究者による推計

Source: World War II casualties – Japanese war crimes

※「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」と田中角栄元首相が謝罪しました。

Source: 日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明(1972年)

※1995年には、村山富市元首相が「私は、未来に過ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします」と謝罪しました。

Source: Statement by Prime Minister Tomiichi Murayama “On the occasion of the 50th anniversary of the war’s end” (15 August 1995)

※数多くの日本による謝罪

Source: 日本の戦争謝罪発言一覧

対中ODA実績概要

Source: 対中ODA実績概要

2014年版 政府開発援助(ODA)白書 日本の国際協力

Source: 2014年版 政府開発援助(ODA)白書 日本の国際協力

Source: Overview of Official Development Assistance (ODA) to China

Official Development Assistance (ODA) by Region East Asia - China

※日本による中国への経済的な支援は長い間行われている。

Source: Official Development Assistance (ODA) by Region East Asia – China

■2、日本の謝罪と経済的支援に対する中国の反応

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※謝罪を受ける2人は嬉しい反面、仲間を殺されて複雑な気持ちの中国のこと。

中国は日本から比較的多い経済的な支援と謝罪の回数を受けていますが、日本からの支援と謝罪に対して現状納得し、許す姿勢を見せていません。その理由としては、共産党の権威の強さを維持するためや、領土問題において中国が強気な姿勢を保つためなどが考えられますが、国家の機密情報なので本当のところは分かりません。

・日本の謝罪の文言と経済的な支援について

直接的に「中国に対して」という表現と、深い謝罪を意味する「お詫びする」という表現が入ってる場合と入ってない場合があるために、中国側は良しとしていません。

中国、現実路線に転換?安倍首相演説に対し批判も、韓国とは異なる温度感 米紙指摘

※安倍首相のアメリカでの演説でも「お詫び」は使われなかった。

Source: 中国、現実路線に転換?安倍首相演説に対し批判も、韓国とは異なる温度感 米紙指摘

※2004年時点で日本からのODAを知ってる人は6割。

Source: 「知ってる」6割:ODA廃止論議で認知度高まる

※2013年時点では、日本からのODAを紹介した中国人に対して同じ中国人による非難で炎上。

Source: 売国奴め!日本の対中ODA紹介で非難殺到=中国版ツイッター

※2014年時点では、日本からのODAは、日本が稼ぐための投資としての意見が多いとのこと。

Source: 【中国BBS】日本の対中ODAに「感謝する必要なし」

・日本の首相の靖国神社参拝について

靖国神社には、日本近代史以降の戦争で亡くなった方が「英霊」として祀られています。しかしこれは日本人にとっての見方であって、中国から見ると「戦争犯罪者」という意味になります。

The 10th Japan-China Public Opinion Poll Analysis Report on the Comparative Data

※日本人の7割は日本の首相が靖国神社に参拝することを賛成しているが、中国人の6割は反対している。

Source: The 10th Japan-China Public Opinion Poll Analysis Report on the Comparative Data

・共産党の権威維持としての愛国教育

民主化を求めた中国人学生が中国政府によって抑圧された天安門事件以降、中国政府は共産党の正当性をもっと理解してもらうために教育を見直し、その結果、愛国教育が強化されることとなります。その愛国教育によって育った学生たちが反日デモを引き起こしました。2005年と2012年に大規模なデモが発生しました。

2012 China anti-Japanese demonstrations

※2012年、日本の尖閣諸島国有化をきっかけに中国各地でデモが発生。参加者は多い場所で数千人。

Source: 2012 China anti-Japanese demonstrations

Deconstructing Japan’s Claim of Sovereignty over the Diaoyu/Senkaku Islands

※尖閣諸島周辺には石油資源が存在しています。

Source: Deconstructing Japan’s Claim of Sovereignty over the Diaoyu/Senkaku Islands

[Graphic News] Global military spending drops in 2013 led by U.S. cut

※中語の軍事費は年々増加しています。

Source: [Graphic News] Global military spending drops in 2013 led by U.S. cut

■最後に重要なポイント

・国家間が地理的に距離が近いと、100%お互いを信頼しあうことは難しいのかもしれません。

・中国人全員が日本を嫌いになっているわけではないし、逆に日本人全員が中国人を嫌いになっているわけではありません。

・第二次世界大戦で世界中の人が亡くなりましたが、謝罪した国は少数。謝罪しない国が多いから謝罪しないというわけではないですが、事実として相手国に謝罪した国は少ないです。

・自分の誠意が相手に伝わらなければ謝罪になりません。相手が求める回数や表現を使わなければ謝罪になりません。

・過去を悔いても生きているのは今。経済的に交流は多い。

Japanese trade with China

※2011年まで日中お互いに輸出入を行っていた。

Source: Japanese trade with China

・反日デモの裏の見方

反日デモの集団化によって、再度民主化の動きに持っていく可能性があることから、中国政府はデモを避けるようにしているという考えもあります。

Source: 日本経済新聞 – 中国で今年反日デモが起きなかった本当の理由

※他にも論点や考え方があれば教えてください!